古くからの友人でもあり、ビジネスパートナーでもあった谷口正人さん(谷口一刀さん)が亡くなった。
享年47歳だった。
彼との出会いは、私がリクルートに在籍していたときに、WEBコンサルティングのデザイナーという肩書きでのお付き合いだった。
カスタマー導線を最大限に活かすための方法として彼が提案する内容と、社内プロデューサーのこだわりとの軋轢で、なんども衝突があり、結局うまく行かない結果で、その折衷案になったことにより、逆に操作性が悪くなった結果は差しおき、彼の素朴でストレートな着眼点は、実に面白くて、個人的にも興味を持ち、その後、よく仕事以外で会うようになった。
彼は、その後ライブドア、LINEと転職をして、クリエイターとして活躍をした。
いくつか本も出版し、そして漫画、アニメ、ドラマの制作にもとりくみ、ここ数年はVRへの興味をもって、VRでの研究も続けていたときだった。
こだわりが強いわりには、シャイな男で、弱みを一切見せず、妥協を許さず、愛する女性にはとことんアタックを続ける男であった。
独身時代は、上海にも行き、香港にも旅行にいった。
彼の実家にも遊びに行き、そして彼のご両親とも仲良くさせていただいた。
そして結婚してからは、うちらの家族とも両家でタイにも遊びに行った。
6歳になる娘を育てる素敵なお父さんになった彼とも、パパトークでも盛り上がった。
そして、まさにこれからという時に、彼は他界してしまった。
そのことを知った時は、ショックを通り越して、信じることができず、その事実自体がVRなのではないかと疑った。
彼のお父さんと電話をして、それが本当であることを知ったとき、ようやく彼の死を受け止めることができた。
お父さんは、「正人の分まで生きなきゃなぁ」と強い意志を持たれており、谷口さんらしい強がりも見え隠れした。
彼が残した功績は大きく、ウェブマーケ領域やウェブコンテンツ領域での制作ノウハウは多くのクリエイターがバイブルのように継承している。
私も彼から学んだストーリーの構築方法や表現方法のノウハウなどは、今でも多くの現場で活用している。
彼は誰よりも多くの本を読み、研究を重ね、そしてなによりも、当事者に直接会いに行って一緒にプロデュースを果たす行動力があった。
私も多くの人を紹介し、各々がパートナーとなり世の中に作品や商品という形として仕上げられていった。
まだ着手中のプロジェクトもあり、成就できないものもできてしまったが、それでも彼が手掛けたサービスは日本国内でも多大な影響力を与えたと思う。
死んでしまっては、カラダや精神は残らないが、彼が残したノウハウは残っている。
そして今の時代は、VOICYやNote、ブログ、Facebookがその時を刻んで残されている。
死んだはずの彼のメッセージがいつでも色あせずフレッシュな状態で再生できる時代。
変なもので、VOICYを聞いていると、死んだかどうかも怪しくなる様な感覚にもなる。
ほんとうにいい男であった。
昨日で49日を迎え、仲の良い面子で集まって、彼と一緒に過ごしたお店でお別れ会をした。
無事に天国に行けたような気がする。
安らかにおやすみください。
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