2021.06.25 02:31「正欲」安全と欲望の間の境界線専任の大学の教員となって2年目を迎えた。私のいる大学は、研究機関というより教育機関の色が強い。だから、社会や地域の問題解決の前に、学生の問題解決を行うことが多くなる。学生の問題解決が、社会や地域の問題解決につながると考えているから、大学側の意向とマッチしているし、そのために力を注ぎ込むことは、苦にならない。苦にならないからこそ、沼にハマる。ものすごい深い泥沼なんだけど、沼がほんのり温かいからさらに居心地が良くなる感覚さえある。ちょっとした覚醒感さえも感じてしまう。まあ、充実しているということだ。という背景があるため、私は非常に忙しい。47年間生きてきて、その履歴を振り返っても、ここまで忙しかった経験はない。サラリーマンだったころは、あまりにも仕事が順調...
2021.03.20 14:30生きるということ本日、2021年3月20日、在籍している東北芸術工科大学で、令和2年度の卒業式が執り行われた。全体がコロナ一色だった。感染症とは病原性の微生物が、人の体内に侵入することで引き起こす物理的な疾患。その疾患者はまわりにほとんどいないにも関わらず、その感染や社会環境に恐れ慄く、”心理的感染症”の疾患者が沢山いた。「なぜ?」「コロナだから」この1年、この言葉を何度も聞いた。自分も吐き捨てるように何度も言ってきた。「とりあえず今はそこで黙っとけ」と言わんばかりに。人と話をしたり、旅に出たり、握手をしたり、ハグをしたり、笑いあうこと自体をお互いが規制し合うこの状況は、有史以来、初めて私たちに訪れる監獄社会といえる。すべての民が独房に入って、見えない鉄格子の中で生活...